Cover Image for AWS re:Invent 2024ブログ:第三弾Project Kuiper進捗

AWS re:Invent 2024ブログ:第三弾Project Kuiper進捗

2024/12/11

はじめに

昨年2023年re:InventのAWS CEOキーノート締めくくりでAmazon衛星インターネットサービス「Project Kuiper」が発表され、私は大きなインパクトをうけ注目していました。

https://www.seeds-std.co.jp/blog/24gk/e601ee41-a1ab-491f-aae1-48368803a7dc/#Project Kuiper(カイパー)5

今年もキーノートやセッションで新たな発表があるのではと期待していましたが、残念ながらどの場でも触れられることはありませんでした。
そんな中、唯一「chalk talk」形式(ホワイトボードを使い質疑応答を交えながら進行する)のセッションがあったため、参加してきました。

参加したセッション

AWS and Kuiper together: Building applications using satellite connectivity

訳:AWSとKuiperの連携:衛星接続を活用したアプリケーションの構築

このセッションは、Kuiperの新しい低軌道(LEO)衛星ネットワークがAWSサービスとどのように連携するか、また利用可能な新しいユースケースの種類を説明するホワイトボード形式のセッションです。Kuiperは、ほぼ地球上どこでも高帯域幅で低遅延の接続を提供し、AWSサービス(プライベートネットワーキングやエッジコンピューティングなど)と組み合わせることで多くの新しいユースケースを創出します。このセッションでは、Kuiperの基礎(衛星群、設計、ユーザーターミナル)から、AWSデータレイクやAmazon VPC接続に直接プライベートエンドポイントを統合するなどの高度なアーキテクチャパターンまでを取り上げます。

質問も活発
質問も活発
ホワイトボードで説明してくれる
ホワイトボードで説明してくれる

Project Kuiper 概要

Project Kuiper は、低地球軌道(LEO)に3,232基の衛星を展開し、地球全体を対象に高速かつ低遅延のブロードバンドサービスを提供するプロジェクトです。

  • 1Gbpsを超えるダウンリンク速度(企業向け端末)
  • 往復レイテンシ30ミリ秒
  • 宇宙間通信は耐障害性のあるメッシュネットワークを構築

宇宙安全対策

また宇宙安全(Space Safety)についての取り組みも発表されていました。

スペースデブリ対策、安全性、日照や天体観測への影響について、具体的に様々な対策が取られています。

  • 計画的な廃棄処理:推進装置はミッション終了後1年以内に廃棄
  • 衝突回避:20km間隔、9kmの許容範囲、シェル内の分離距離:50km
  • 反射率目標:天文学コミュニティが設定した「7等級未満」の基準を達成

ユースケース

具体例

  • 工場、インフラ設備などの監視制御システム
  • 災害時の緊急通信
  • 僻地でのインターネット接続
  • 物流や輸送業での通信(海上輸送など)
  • ロボット、ドローン、監視カメラのエッジデバイス
  • 政府、軍事関係、エンタープライズ、金融サービス、ヘルスケア、エネルギー採掘

物流のAmazonとネットワークインフラのAWSならではの強みを活かした様々なユースケースが想定されています。

当然これらはAmazon単体で考えるものではなく、パートナーやユーザーのニーズにより多くの展開が期待されます。

顧客端末(Customer terminals)

1. 小型端末(7inch)

  • 速度:最大 100 Mbps/ 40 Mbps
  • 消費電力:60W
  • 2. 中型端末(11inch)

  • 速度:最大 400 Mbps/ 100 Mbps
  • 消費電力:90W
  • 3. 大型端末(30inch)

  • 特徴:企業向け(Enterprise-focused)
  • 速度:最大 1 Gbps/ 400 Mbps
  • 消費電力:225W
  • Prometheus(プロメテウス)

    • チップ:Amazon独自設計のチップ。
    • 統合型チップセット:アンテナと衛星の両方で使用。
    • 性能:衛星あたり1 Tbpsを実現可能。

    値段はまだ秘密とのことですが、先行のスターリンクにも対抗する必要があるということで、お手軽価格になるかと思いますが、どうでしょう。

    プライベート接続プランあり

    • 接続プラン:パブリックまたはプライベート
    • IPアドレス設定:ネットワーク構成に基づく設定
    • ルーティング先の設定:データの送信先を指定

    プライベート接続プランはKuiperならではの強みになると思います。

    衛星回線を使ってもプライベートでセキュア回線を維持できるのであれば、エンタープライズや公共セクターにも安心して提案できますね。

    以上、

    1時間、様々な質疑が飛び交い非常に興味深いセッションでした。

    2025年中にはサービスがリリースされるとのことのなので発表を楽しみにしたいと思います。

    その他メモ

    • 参加者からの絶えることのない質問に圧倒された
    • ここでは答えられないけどメールでなら回答できるとメールアドレスを公表していたこと
    • 日本人は2.3名しかいなかった
    • 英語で質問ができるようになりたいと思った

    余談:

    1、飛行機+スターリンク良いなぁ

    ラスベガスから帰りの飛行機はハワイ経由でして、そこまでのハワイアン航空便では Wi-Fi 環境にスターリンクが使えるようになっていました。

    https://www.hawaiianairlines.co.jp/press-releases/jp-2024-09-25-starlink

    特に料金も必要なく、Wi-Fi をONにするだけですぐに使えます。

    スピード、レイテンシともに充分で、快適にPC作業ができます。

    回線テストfast.com
    回線テストfast.com
    IPアドレス接続元 (ahref.org)
    IPアドレス接続元 (ahref.org)

    2、au +スターリンクも頑張ってるなぁ

    2024.10.24 Starlink衛星とauスマートフォンの直接通信実証に成功

    https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-299_3556.html

    ということで、auもスターリンク社との提携で携帯+衛星通信も熱くなってきています。

    「空が見えれば、どこでもつながる」

    https://www.au.com/lp/starlink/


    👉️ AWS Graviton のことなら acCloud にお任せください!
    👉️ AWS Graviton のことなら acCloud にお任せください!