今回のツアーで回ったのは以下になります。
フルフィルメントセンター(配送センター)
AMAZONフルフィルメントセンター
北米最大級のAmazon.com の配送センターを見学させていただきました。
今回訪れたのはシアトル郊外にある全米で140以上あるうちの配送センターの1つです。
シーズのお客様も製造・配送・倉庫業なども多く、私自身の実家も工場をやっていた関係で非常に興味がある見学でした。
世界最先端の仕組みはどうなっているのか。また今に至るまでの改善をどういう風にすすめてきたのか。働いている人の雰囲気、モチベーション、待遇などをどうやっているのか。
内部の撮影はNGでしたが、事細かくメモをとってきました。
配送センターはこんな感じでした(イメージ)
シアトルフルフィルメントセンターで働いている人2000ぐらい。多いときは5000人になる。(クリスマスシーズンなど)6000のロボ(ドライブトレー)。6万個のトレー(黄色の箱)。一日30万個、多いときで100万個の配送を行う。西垣メモより
配送における「入庫処理」ですが、アマゾンでは入庫する棚は決まっていません。 四方を檻に囲われた巨大な在庫スペースがあり、その中を商品を詰める棚を載せたドライブトレー(ロボット)が走り回っています。檻の周りにはユニバーサルステーションという入庫処理などを行うドッグが配置され人が作業をしています。
入庫の際は、ユニバーサルステーションまで空きのあるドライブトレーがやってきて、どこに詰めても良い仕組みになっています。どこに詰めているのかはカメラやセンサーですべて管理されており、逆の出庫(ピッキング)時にも同様に ドライブトレー が人の前にやってきて「これを取れ」とモニターとライトで指示されます。
つまり人が動き回ることが一切ありません。
商品にRFIDなどもついていません。入庫時の荷姿、大きさ・重さなどを過去のデータと比較して決まっているそうです。
梱包は逆に手作業もありそこは少し意外でした。
具体的にはダンボールを選ぶ(とはいえどれを取るかは指示がある)とか、テープを貼る(とはいえ必要な長さに自動カットされている)作業は人がやっていました。
後で話を聞くと、テクノロジーだけでなく全体最適化を考えてやっているからだそうです。
日々の作業は常にカイゼンを図っているようで、改善提案はベゾス主催のJust Do Itアワード(とにかくやれ賞)で表彰されるようです。
商品はナイキのスニーカーだそうです。
アマゾン本社DAY ONEビル
左奥がDAY ONEビル
アマゾン本社はシアトル市内ダウンタウンにあるDAY ONEビルといいます。(DAY ONEの名前の由来はベゾス氏のDAY ONE哲学からだそうです)
一階にAmazonGoがあります。
その手前の丸い近代的な建物はThe Spheresというアマゾン社員用の憩いのスペースです。
また右の建物はAWS本社で、ちょうど数日前に移転してきたばかりです。
この辺だけで52個のビルにアマゾン関連施設がはいっているそうです。
アマゾン本社で一番驚いたのは、犬を連れた社員が多いこと。
犬を連れて出勤がOKだそうです。自分の机の下で賢くしているそうです。
DAY 1 Home Lab
DAY ONEビルの30階にあるスマートホームの実験展示施設です。
アレクサと接続されたテレビ、電子レンジ、シャワーなどスマート家電が展示されていました。
たまたま説明員がいらっしゃらなかったというのもありますが、使いこなせないスマート家電は逆にまどろっこしいなと感じました。
なんでもかんでもIT化すれば良いわけでなく、ニーズを満たすもの、便利になるものでないと普及はしないだろうなと思いました。
まあ実験施設なのでこれからさらに発展していくんでしょうけどね。
The Spheres
アマゾン社員用温室のようなワークスペース
本社の隣にある温室のようなワークスペースです。ガラス張りの施設の中は本当に温室になっていて湿気があり亜熱帯あたりの植物がたくさん植えられていました。先週までラフレシアの花が咲いていたそうです。
一応ここはワークスペースということで、近くのビルから社員がやってきてこの中でくつろぎながら作業する人もいるようです。
シーズも社員がリラックスして働けるような環境を心がけていますが、アマゾンさんは植物園を作ってしまう規模でされており圧倒されます。
Amazon Go(レジレスコンビニ)
amazon go
レジの無い最先端のコンビニです。
店の外・中も観光客がたくさんいました。
amazon goはカスタマーのニーズに基づいて「こんなのがあればいいな」からの発想で生まれたそうです。
walk in ,take stuff, just leave.(店に入って、商品をもって、そのままでる)
「Just walk out!」がコンセプト。
技術的には、フルフィルメントセンターでも使っている画像認識、センサーなどをフル活用しているようです。
AWSにあるレコグニションもその関連技術ですが、goはそれ以上の技術のためレコグニションは使っていないそうです。
RFIDは検討はしたけど使っていないそうです。電子レンジで温めたら提供側に責任が発生するとか、距離が近いと問題が生じるとか。
2019年7月現在で全米で13店舗あるそうです。1週間で1店舗オープンする勢いで拡大していて今後も拡張を予定しているそうです。レジレスが本格化するとかなりすごいことが起きそうな気がします。
現地で使った感想ですが「こんな便利なものは無い」と感心しました。
並ばなくていいし、財布を開けたり、カードを渡したりする必要もないし、本当にあったらいいなコンセプトの「店に入って、商品を手にとって、そのままでるだけ」が実現されています。
日本では最近ユニクロのレジが無人(セルフレジ)になって便利だなぁと思っていましたが、「そもそもレジが無い。レジレス」はさらにその先を行く技術なので、これでまた世界が変わるではと思います。