前回からの続き。
本記事では、今回のメインとなるDrupa展示会場のレポートをします。
Drupaはどこでやっているの?
ドイツ西北部デュッセルドルフという町で開かれています。
フランクフルト空港から電車で1時間半ぐらい。ケルンから30分ぐらいの距離にあります。
Drupaに行きたいと思った理由
1. 世界の印刷通販システムの情報収集をしたい
印刷関連システムを大きく分けると以下の3種類があります。
- 基幹システム・製造管理系(MIS)
印刷業界ではManagement Information System(MIS)と呼ばれ、製造プロセスの管理や効率化を図るためのシステムです。
- データ加工・フロー系
デザインや入稿データの加工、印刷の前加工を行うシステムです。
- ネット通販・デザインシミュレーター系
我々は印パケをはじめとするネット通販システムや基幹システムの開発・保守に日々携わっています。そのためネット通販システムや、そのバックオフィスの延長にあるMISの仕組みに非常に興味があります。これらのシステムが世界ではどうなっているのか、ネット通販そのものがどのように運営されているのか、関連システムにはどのようなものがあるのかについて情報収集・意見交換を行い、今後のヒントとなるものを見つけたいと思っています。
2.日本企業の活躍や世界の動向を知りたい
日本はものづくり大国としての誇りを持っていますが、印刷技術と製造業が盛んなドイツではどのような評価を受け、どの程度の市場シェアを持っているのか、また逆にドイツメーカーはどのような評価やシェアをもっているか、さらには中国・インドなどのアジア勢がどれくらい伸びてきているかなどこの目で確かめたいと思いました。
以下、Drupaの様子を写真とコメントで色々ご紹介したいと思います。
展示会場の様子
会場は広くて一つ一つの建物も巨大です。我々は2日かけて回りました。
来場者・出展社数
Drupa2024ファイナルレポートより
https://www.drupa.com/en/Media_News/Press/Press_Material/Press_releases/Celebrating_the_global_print_industry_Record_number_of_deals_signed_at_drupa_2024?local_lang=2Drupa 2024には、18の展示ホールにわたり52カ国から1,643社が出展しました。
11日間で174カ国から17万人が来場しました。
来場者の地域別割合は、ヨーロッパに次いでアジアが22%、アメリカが12%でした。この割合からも、まさに世界中から印刷関係者が集結していることが伺えます。
機器メーカー
KBAのオンデマンド機VariJET 106
KBA(Koenig & Bauer)が近々市場に提供しようとしているオンデマンド機VariJETが展示されていました。まだ販売はされていないようですが欧州ではいつくかの工場でテスト運用が始まっているようです。
HP Indigo
日本でもおなじみのHPインディゴのブースがありました。デジタル印刷市場をリードする重要なメーカーの一つです。
Landa(ランダ)
ここは常にすごい人だかりでした。このメーカーは、HP Indigoを開発したLandaさんが別に立ち上げたメーカーで、Nanographyというすごい技術(すみません説明できません)により注目されています。
サンプルで配っていたアートポスターをお土産に持ち帰りました。とても発色がきれいでした。
日本企業も多く出展されていました
Horizon
今回、工場見学やホテル手配などなにからなにまでお世話になったHorizonさん。
京都発祥の会社で製本機などの後加工機器を強みとし、国内外で高い信頼があります。
RICOH
FUJIFILM
CANON
他、写真がとれてなかったですが、日本の展示会でもよく見かけるSCREEN、MIMAKI、KOMORIなどの日本企業も大きなブースで出展されておりました。
人だかりも多く日本メーカーも頑張っておられるなぁと嬉しく思いました。
その他
中国系メーカーも多数
中国系メーカーもかなり出展されております。見た目は地味ですが近い将来世界No1、2を争うシェアになる気がします。
GMUND(グムンド)
ドイツの製紙会社さん。知る人ぞしる上質紙、環境配慮紙メーカーさんです。こんなところで出会えるなんてと同行していた活版印刷の社長さんがテンションMAXで、こちらまで嬉しくなりました。
ソフトウェア
OneVision社
弊社がお仕事で利用していたソフトウェアメーカーさんが出展されていたのでご挨拶させていただきました。日本からのサポートを担当していただいている方だったので直接お会いできて光栄でした。
CloudLab
クラウドベースのデザインシュミレーターです。ブラウザ上でデザインデータを作成できます。紙だけなく3D展開図にも対応しています。多くの商材に対応しておりパラメーターも豊富で使いやすく完成されているように思いました。日本の大手印刷通販サイトにも導入事例があるようです。
その他ブース
ソフトウェアエリアはじっくり回りました。(写真はあまりなくてすみません)
我々が日本でやろうとしていることで欧州で先行して進んでいるサービスがいくつかあって、今後の参考になりました。
さいごに
2日間、朝から夕方までじっくりと展示会を回り、世界の最新印刷機器や周辺ソフトウェアの状況をしっかりと体感してきました。
また、Drupaに来られた日本の印刷会社の方や出展企業の方とたくさん挨拶を交わし、新たなつながりを作ることもできましたので、非常に収穫の多い展示会だったと実感しています。
おまけ:ランチ
メッセ会場中央に広い中庭があり屋台が多くありました。
次は、ドイツの印刷工場の見学会をレポートします。