原口です。
AWS China(Beijing) [中国(北京)リージョン] を触らせていただく機会がありまして触ってみた感じをお伝え致します。
中国リージョンは結構前から追加されていますが、通常のアカウントのリージョン一覧には出てきません。
中国リージョンを利用するには他のリージョンとは異なり、専用のアカウントを作成しなければ利用できません。
基本情報
[リージョン]
- cn-north-1
[アベイラビリティゾーン]
- cn-north-1a
- cn-north-1b
無許可でのポート80 / 443 / 8080 のポートによるページ公開ができない
中国では、ウェブサイトを勝手に公開できないようで、AWS側にて上記のポートは接続できないようになっています。ICPライセンスというものを登録しなければ公開できません。基本的にはAWSアカウントにライセンスが紐づいているようでライセンスが紐づけば公開が可能となるようです。
注意点として、ELBやEC2などでは接続できないときはブラウザくるくるですが、s3の接続できないエラーは401レスポンス(UnauthorizedAccess)を返します。401(UnauthorizedAccess)はs3のgetObjectがない場合でも出すのでICPライセンスが原因である、、、という判別がつきにくいところでハマりやすいので注意です。
ちなみにELBやEC2は待ち受けポートを適当なポートに変えてやれば無理やり公開する事は可能でした。
ARNやドメインネームが変わっているので注意
ドメイン名は
ec2.amazonaws.com が ec2.amazonaws.com.cnと、完全に別のドメインになっていますし、
ARNもarn:aws が arn:aws-cn と変わっているので注意が必要です。
cloudformationやterraformのテンプレートなど既存のノウハウを生かそうと流用すると
arnを直接指定している部分などではまります。
ないサービスが多い
以下の一覧でも確認できます
今回は
- route53
- lambda
- RDS(Aurora)
あたりがなかったので困りました。
既存リージョンからAMIはコピーできない
完全別サービスみたいな感じですので、既存のリージョンで作成していたAMIなどを共有する事ができません。
これはかなりつらかったので・・・以下のようにディスクイメージを作成してコピーする方法を用いました。
インスタンスコピーの手順
AmazonLinux (HVM)を使用した場合。
移行したいAMIのsnapshotからVolumeを作成し、適当なインスタンスにアタッチします。
アタッチしたボリュームをddコマンドでイメージファイル化します。
(/dev/xvdfとしてアタッチした場合)
1dd if=/dev/xvdf of=image.img bs=1M
イメージファイルを中国側に作成したインスタンスに転送します
1scp -i chn.pem ./image.img ec2-user@***.***.***.***:/home/ec2-user/
中国側インスタンスで空のVolumeを作成し、アタッチします。
この時、空のVolumeサイズはコピー元のVolumeサイズと同じにしてください。
このアタッチした空Volumeにddコマンドでイメージファイルを書き込みます
(/dev/xvdfとしてアタッチした場合)
1dd if=./image.img of=/dev/xvdf bs=1M oflag=direct
※独自OSを使っている場合などはこの際にboot関連の項目を書き換えたりしないといけないかもしれないですがAmazonLinuxでは特に修正なくできました。
Volumeをデタッチしてsnapshotを作成します。
そしてsnapshotからAMIを作成。
この際のパラメータはHVM(Hardware-assited VM)に。
カーネルIDなどはデフォルトでOKです。
これで、既存リージョンのAMIを北京リージョンに持ってくる事ができた事になります。
このとき、作成したAMIを北京リージョンで立ち上げるとうまく立ち上がってこない事があります。
マネージメントコンソールからget_systemlogで見ると以下のようなのが出てる場合・・・
1http://packages.ap-northeast-1.amazonaws.com/2016.09/main/20160901f6a8/x86_64/repodata/repomd.xml?instance_id=i-******************************®ion=ap-northeast-1: [Errno 12]
2Timeout on http://packages.ap-northeast-1.amazonaws.com/2016.09/main/20160901f6a8/x86_64/repodata/repomd.xml?instance_id=i-******************************®ion=ap-northeast-1: (28, 'Connection timed out after 10000 milliseconds')
3Trying other mirror.`
Amazon Linuxはcloud-initでyum update(セキュリティのみのもの)が走るのですがそれが途中で止まっているのが原因です。
止まってしまった場合は再起動すればOKです。
これはたぶん以下の変数が書き換わっていないからではないかと思います。
1/etc/yum/vars/awsdomain
2/etc/yum/vars/awsregion
同様にRDSのスナップショットも移動できないです。こっちはダンプ持ってく感じになりますね
よく接続切れる、またはめちゃくちゃ遅くなったりする
南北問題と言うらしいです・・・。