こんにちは!いよいよ今年も師走です。残すところ数日となってしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。クラウド事業部の本田です。本日は来年大忙しになりそうなAmazon Linux 2のお話を。先日サポート期間が伸びることが発表されましたが、EOLは避けられません。自分もそうですが後回しにすると結局は後々しんどくなるので、余裕を持ったEOL対応をしていきましょう。
はじめに:Amazon Linux 2のEOL
Amazon Linux 2は、AWSが提供する軽量で高パフォーマンスなLinuxディストリビューションです。再来年の2026年6月30日にのEOL(End of Life)の予定となることが発表されています。元々は2025年6月30日が予定日となっていましたが、1年間伸びましたが、月日が経つのは早いもので伸びたことで先延ばしにしてしまうのではなく、今から移行計画を立てて実行していくべきです。
EOLを迎えると、セキュリティアップデートや技術サポートが終了し、システムの脆弱性が高まるリスクがあります。
Amazon Linux 2のサポート終了スケジュールは以下の通りです:
- 一般的なサポート終了日:2026年6月30日
このスケジュール以降、システムはセキュリティ上のリスクにさらされる可能性があります。特に以下のような影響を受ける可能性があります:
- 脆弱性攻撃のリスク増加
- 技術サポート停止により、障害対応が困難に
- AWSの新しいサービスや機能との互換性喪失
まだ期間的には余裕があるようには思えますが、移行には時間がかかるものでシステムを安全かつスムーズに運用するためには、早めの移行計画が必要です。特に大規模なシステムになればなるほど、事前調査含めて時間がかかります。
Amazon Linux 2のEOLに伴う課題
EOLを迎えるシステムを最新OSに移行するには、以下のような課題が生じます:
- アプリケーション、ミドルウェアの互換性問題
新しいOSで動作保証が取れないアプリケーションが存在する可能性があります。ミドルウェアで言うと、弊社で扱うことの多いPHPだとAmazon Linux 2の後継であるAmazon Linux 2023に移行する場合、8.1以降しかインストール可能なパッケージがありません。それ以前のバージョンもRemi Repositoryを使うなどしてインストールできないことはないですが、セキュリティのサポートがありません。
- 移行コスト
OSの移行となり、サーバー自体を作り替えることになります。設定状況の把握、移行後に利用できないアプリケーション、ミドルウェアがあった場合にそれを別のものに乗り換えるかなどの改修も必要となってきます。
- 移行スケジュール
基本的にはサーバーの入れ替えになるため移行スケジュールを考える必要があります。EC2単体で動いているシステムであれば、IPの付け替え、またはDNSを切り替える。また冗長化されている場合に、ブルーグリーンなどの方法で切り替えていくかなどの切り替え方法もそうですし、移行データが多くある場合は一時的に同期のためシステムの利用を停止する、メンテナンスを入れるなどビジネス面も考慮する必要があります。
最新OSへの移行のメリット
EOL対応はリスク回避だけでなく、システムの改善にもつながります。以下は、最新OSへの移行による主なメリットです:
- セキュリティの向上:最新のパッチやセキュリティ対策が適用可能。
- パフォーマンスの最適化:最新ハードウェアやAWSサービスを最大限に活用可能。
- AWSサービスの最新機能を活用:最新OSは新しいAWS機能との互換性が確保されています。
これらのメリットを享受するためにも、早めのアップデートをおすすめします。
当社が提供する移行支援サービス
弊社では、Amazon Linux 2からの移行に関する包括的な支援サービスを提供しています。またこういった移行タイミングはシステム全体を見直すきっかけにもなりますので、OS移行に合わせて、コスト、アーキテクチャの見直しを含めたAWS運用の最適化をご提案させていただいています。
見直しの一例:
- ECS を利用したコンテナ化
EC2で稼働していたアプリケーションサーバーを、EOLのタイミングでECSへ移行しました。少し移行コストはかかりますが、EC2自体が無くなりのメンテナンスが不要になる、コンテナ化によりローカル環境とAWS上の環境の差異がほぼなくなるなどメリットは大きいです。また次のEOLのことなどを考えても長期的にもメリットが大きいです。
- データベースをRDSへ移行
EC2上で、apache、PHP、MySQLなどのミドルウェアがインストールされていましたがMySQLをRDSへ移行しました。マネージドサービスに置き換えることで、保守対象が減り、またSOPを無くし安定したシステム稼働が実現できています。
- AWSアカウントの分離
多くの環境がAWSアカウント上に同居していましたが、EOLに合わせて各サービス、本番、ステージングなどの各環境毎でAWSアカウントを発行し、それぞれ移行をしました。AWSのベストプラクティスとしてリソースは分離されているべきなので、そちらが実現できました。
- メールサーバーを外部サービスへ移行
EC2で運用していたメールサーバを、OSのEOLに伴い外部のメールサービスに移行しました。サーバー代金、保守代金を削減することができています。
お困りの方は今すぐお問い合わせください!
Amazon Linux 2のEOLが近づく中、移行の準備は進んでいますか?
セキュリティリスクを最小限に抑え、安全なシステム運用を実現するためには、早めの対策が必要です。ぜひこの機会にお問い合わせください。
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電話番号: 075-326-1240
まとめ
Amazon Linux 2のEOLは、現行システムを見直す重要なタイミングです。OSの移行のみならず、システム全体を最適化しましょう!
「アップデート作業が不安」「どこから手をつければいいかわからない」という方は、ぜひ株式会社シーズにご相談ください!