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Replicate APIとGPT-4o miniで画像生成アプリをサクッと作ってみた

こんにちは!株式会社シーズのヤソジマです。

今回は、Replicate API を活用して、アイデアをすぐに形にするプロトタイピングの楽しさをお伝えしたく、画像生成アプリの開発過程をブログにまとめました。

コストと開発速度を最優先に、わずか3時間で自分だけの画像生成アプリを開発した方法、その技術選定の裏側や工夫した点を共有したいと思います。

Replicateとは?– AIモデルを手軽に呼び出せるAPIプラットフォーム

まず、今回の主要技術である Replicate について簡単にご紹介します。

Replicateは、多種多様な機械学習モデルをAPI経由で簡単に実行できるクラウドプラットフォームです。通常、画像生成AIなどを動かすには、複雑な環境構築が必要ですが、Replicateを使えば複雑な手間は一切不要。開発者はAPIを叩くだけで、最先端のAIモデルを自身のアプリケーションに組み込めます。

「このモデル、ちょっと試してみたい」と思ったときに、すぐに試せる手軽さが最大の魅力です。

https://replicate.com/

アプリケーションの全体像と技術スタック

今回開発したアプリの構成と、生成された画像が表示されるまでの流れは以下の通りです。

こちらがアプリの画面です
こちらがアプリの画面です
画像生成後のイメージ
画像生成後のイメージ

こだわりの技術選定

  • 画像生成モデル: black-forest-labs/flux-schnell
    • 選定理由: コストパフォーマンスと生成速度を最優先。Replicateで公開されている数多くのモデルの中から、1ドルあたりの生成枚数を比較し、最も効率的だと判断しました。
  • プロンプト翻訳・最適化: OpenAI GPT-4o-mini
    • 選定理由: ユーザーが入力した日本語を、高精度かつ低コストで英語に翻訳・最適化するために採用。最新モデルでありながら、API利用料が安価な点が決め手となりました。

生成画像が表示されるまでの流れ

  1. ユーザー入力 (日本語)
    • ユーザーがWeb UI上で日本語のテキストと画像の「テイスト」を選択します。
  2. 翻訳 & 補正 (gpt-4o-mini)
    • 入力された日本語プロンプトを、OpenAI APIを介して英語に翻訳。さらに、より表現力豊かな画像が生成されるように内容を補正します。
  3. プロンプトのマージ
    • 翻訳・補正されたプロンプトと、事前に定義しておいた「テイスト」用の指示プロンプト(例: cinematic, photorealistic...)を結合します。
  4. 画像生成 (Replicate API)
    • 完成した英語プロンプトをReplicate APIに送信し、flux-schnell モデルで画像生成を開始します。
  5. ポーリングで完了検知
    • Replicateの処理は非同期で行われるため、定期的にAPIに問い合わせ(ポーリング)を行い、画像生成が完了したかをチェックします。
  6. 生成画像表示
    • 生成が完了したら、返却された画像URLをクライアントサイドで受け取り、画面に表示します。

実装で工夫した2つのポイント

1. 日本語プロンプトの精度を最大化する「翻訳+最適化」処理

画像生成AIは、一般的に英語プロンプトの方が高品質な画像を生成しやすい傾向にあります。そこで、単に日本語を英語に直訳するだけでなく、gpt-4o-mini を活用して「モデルが解釈しやすい創造的なプロンプト」に変換する一手間を加えました。

2. UI/UX向上のための「テイスト選択」機能

ユーザーが毎回詳細なスタイル指示(photorealistic anime styleなど)を入力する手間を省くため、ボタンで簡単に画像のテイストを選択できるUIを設けました。

内部的には、ユーザーが選択したテイストに対応する英語のスタイル指示プロンプトを事前に用意しておき、ユーザープロンプトとマージしてからReplicate APIに送信する仕組みです。これにより、手軽に多様なスタイルの画像を生成できる体験を実現しました。

開発を終えての感想

Replicate APIはプロトタイピングの強い味方

改めて、Replicateは「アイデアを素早く試す」フェーズにおいて最高のプラットフォームだと感じました。面倒な環境構築なしに、多種多様なモデルをAPI経由で気軽に試せる開発体験は、一度味わうと手放せません。

今後の展望と課題

今回は3時間で自分用にサクッと作った個人アプリですが、もしサービスとして公開する場合は、以下の点を考慮する必要があるでしょう。

  • ユーザー管理: 会員登録機能の導入
  • リクエスト制限: 無制限なAPI利用を防ぐための流量制御
  • 利用規約: 公序良俗に反する利用の制限や免責事項の明記

とはいえ、個人開発で「思いついたらすぐ作れる」という体験ができたことは、非常に大きな収穫でした。

まとめ

Replicate APIとGPT-4o miniを組み合わせることで、高機能な画像生成アプリケーションを、驚くほど短時間かつ低コストで開発できました。

特に、「コアとなるAIモデルはReplicateで手軽に呼び出し、ユーザー入力の整形・最適化は別のLLMに任せる」 という構成は、様々なAIアプリケーション開発に応用できる強力なパターンだと感じます。

この記事が、皆さんの「作ってみたい」を後押しするきっかけになれば幸いです!

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